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吉原手引草を読んで

姿を消した花魁の葛城を追って、吉原に出入りする客、
吉原で働く人への聞き込みですすむ物語。
それぞれが語る花魁の姿。強弁、詭弁、虚々実々。
「花魁の誠と四角い卵」と同じように真実はないのか。
語る本人たちはいたって本気なので始末が悪い。

吉原のシステム、商習慣などがしっかりわかるので
このあと時代小説を読むのに役に立つかもしれません。
廓の世界は、西鶴ぐらいでしか知らないので、面白い。
まあ、こういう世界は私にとって落語で十分。
深入りすると身を持ち崩すのが目に見えています。

夕べ格子で 勧めた牛が 今朝はのこのこ 馬となる
なんてのを喜ぶのが関の山でしょうか。
興味のある方は古今亭志ん朝「付き馬」「お見立て」「お直し」
もお聴きになってはいかがでしょうか。
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by lagopus55 | 2007-09-06 23:41 | 読書